欧州スーパーリーグまとめ。弱いビッグクラブは価値が下がる?
長いこと噂されていた欧州スーパーリーグ案。バルサやリヴァプール、ユベントスなど欧州各国リーグのビッグクラブが集まってリーグ戦をするという、純粋なユーザー目線では楽しみでもあり現状を破壊する恐れもあった構想だったのですが、ついに正式発表されました。
色々と情報が錯綜する欧州スーパーリーグについてまとめます。
目次
各国ビッグクラブだけのリーグ戦
欧州スーパーリーグ、その実態は各国ビッグクラブだけのリーグ戦なわけですが、すでにスペイン、イングランド、イタリアの3か国から12のビッグクラブが参加確定しています。
欧州スーパーリーグへの参加が表明されているのは以下の12クラブです。
- レアル・マドリード
- バルセロナ
- アトレティコ・マドリード
- マンチェスター・U
- マンチェスター・C
- リヴァプール
- アーセナル
- チェルシー
- トッテナム
- ミラン
- インテル
- ユベントス
凄まじい面々ですね。ここにドイツ勢やフランス勢がいない理由は現状まだ不透明ですが…。構想に反対しているからという噂です。
バイエルンとドルトムントは同構想に反対、UEFAを支持すると声明を出しました。
大会のルール。参加クラブの条件など
大会の方針やルールをまとめます。
発表された12クラブに、さらに3クラブを招待し、計15クラブを創設クラブとして大会を進めていきます。
※3クラブはバイエルン、ドルトムント、パリ・サンジェルマンとの噂
そのうえで各国リーグ前シーズンの上位クラブで予選を行い、勝ち抜いた5クラブを足して計20クラブでリーグ戦を開催。
毎年8月から開始し、ミッドウィーク(火~木曜)に試合を行い、5月に決勝戦を行います。このあたりは現在のCLと同じ方式ですね。
リーグ戦は20クラブを10クラブずつの2チームに分けて、それぞれでホーム&アウェイを戦う形を取るそうです。なので必ずすべてのビッグクラブが戦うわけではないようです。
今のところ降格などの話は出ていないので、知名度の高いビッグクラブ同士の試合が毎年行われるのは確定なのでしょう。
既存の国内リーグ戦などは通常通りおこなう想定
少なくとも正式発表したビッグクラブ側の意見としては、今後も各国国内リーグやCLなどは参戦していくとのことです。
あくまでも「別の新しい大会を作ってそっちにも参加しますよ~」というのが欧州スーパーリーグ側の意見なのです。
が。
欧州スーパーリーグに対し猛反対しているのがFIFAやUEFA。世界サッカー連盟や欧州サッカー連盟ですね。
明確に反対しています。
「欧州スーパーリーグに参加するのであれば国内リーグ戦やCL、代表戦から追放する」
と、とても強い反発の意思を示しています。連盟以外にも各クラブのファンや欧州各国の大統領なども反対声明を出しており、賛成の意見はまったく目に映らないほどの事態となっているのが現状です。
なぜスーパーリーグ構想?なぜ反対?
明確な答えは出ていないのですが、以下が主な理由とされています。
構想理由
既存のUEFA開催試合では、試合放映料の分配など利益がUEFA側に多く取られておりクラブ側の利益が少ない。なのでクラブ側の利益率が高い大会をクラブ側で作ろう
各国FAやUEFAにどれだけ過密日程を訴えても変わらないが、クラブ側の運営であれば試合数の調整などもしやすいだろう(利益次第では将来的にCLや国内カップ戦に出れなくてもいいとの考えがある?)
ビッグクラブ同士の試合が多い方が視聴者も多く利益も出るだろう
反対意見
国内リーグやCLなどの価値が下がりかねない。欧州スーパーリーグに参加しないクラブの価値も同様
ビッグクラブがさらにお金を稼ぐだけではないか?各国リーグの利益が下がればその他の中堅弱小クラブが破産しかねない
国内リーグやクラブの歴史と文化を侮るような行為ではないか
などなど。
結局のところ「お金」の問題がほとんどを占めているわけです。
UEFAはクラブ側の意見を聞かず、CLやELの方式を変えてさらに試合数を増やし、利益を得ようとしています。
クラブ側(特にUEFA開催試合の多いビッグクラブ)は自分達の利益を上げたいので、話の通じないUEFAは捨て置いて欧州スーパーリーグを立ち上げようとしているわけです。
まぁその他大勢を占める「ファン」の意見が現時点では反対意見ばかりなのは確かなのですが…。
ビッグクラブ側が折れてこれまで通りUEFAにひざまずくのか、それともビッグクラブ側がファンやFIFA・UEFAを説得して納得のいく結論に落ち着くのか、このあたりが今後の焦点となっていきそうです。
少なくとも国内リーグや代表戦から追放されるというのが最悪のケースだと思うので、それだけは回避してもらいたいところですよね。
弱いことが証明されたビッグクラブの価値が下がるのでは?
これは個人的な不安ですが、例えばアーセナルやトッテナム。そして最近の欧州戦で結果の出ていないイタリア勢。
彼らは欧州SLに参戦した場合「負けまくるクラブ」になるのではないかと予想されています。
※各クラブのファンさえもそのように自虐予想しているようです…
となると「ビッグクラブのなかでは弱い方」、「国内リーグの中堅弱小クラブに勝っていたから上位にいただけ」というふうに現実をさらしてしまう可能性が出てくるわけです。
そのなかには中堅弱小クラブがビッグクラブに対してやるような「守備に徹してカウンターを狙うだけ」の戦術も当たり前のように出てくるでしょう。CLの数試合だけではなくそれがリーグ戦を通して通例化するとなれば批判されるのは目に見えています。
ビッグクラブとしての価値が大幅に下がってしまう恐れがあるでしょう。
「結局バルサ・レアル・バイエルン・PSG・シティあたりが毎年優勝争いするんだ。」
なんてことが証明されてしまったら、サッカーから離れてしまうファンが出てくるかもしれません。欧州サッカーの文化を終わりに近づけかねない事態です。
毎年CLで「たまに」ビッグクラブ同士がぶつかるからこそ面白い、何度も頻繁に戦っていては面白味に欠ける・飽きるという意見もTwitter上で見かけます。
いずれにせよ、ファンとしてはこれまで同様、純粋にサッカーを楽しめるような結果に落ち着いてもらいたいところですね。
現状、被害が出ているのは「選手」
UEFAがビッグクラブ側に多少折れるのも必要なんじゃないかと思います。
利益優先により試合が多すぎてケガをする選手が増えているのは確かな事実ですもんね。
試合が多すぎるのも、国内リーグ戦や代表戦に出れなくなるのも、すべて選手へのマイナス面です。
欧州スーパーリーグが現状打破のためのカンフル剤なのだとしたら、それはそれで素晴らしいきっかけなのかもしれません。